ねずみ君ち

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読書日記:『はるなつふゆと七福神』賽助 著

今回は、先月末からずっと読んでいた本の感想です。

(あまりネタバレしないように書こうと思いますが自信がないので、これからお読みになる予定のかたはこのあたりでブラウザバック推奨です)

 

はるなつふゆと七福神

はるなつふゆと七福神

 

著者のかたは多方面で活躍されていらっしゃるかたのようで、わたしはその一部しか存じませんが、とてもとても素敵なかたで、昨年からずっと変わらず大ファンでおります。そんなわけでなのかどうなのか、この本が届いてから10日程になるかと思いますが、すでに2回読んでしまいました。

1回目は、この本を手に取ったときの嬉しいテンションでひたすらキャイキャイと心の中で騒ぎながら読んでしまい、物語の本当の良さを味わっていないのではないかと思い、もう1度読み返しました。

物語の前半は、コミカルさに加えて甘酸っぱいような少しじれったいような雰囲気で、主人公の可愛らしさや年頃の女性らしい葛藤や、人間からあまり顧みられない神様達の健気さや切なさで時折胸が痛くもなります。

後半は一転して、前半のどちらかというとほのぼのした雰囲気からは予想できないくらいぐいぐいと物語が展開していきます。読むのが止められなくて一気に読んでしまいます。このあたりはアニメや映画のアクションシーンとしても観てみたいなあと思いました。

全体を通しての感想は、登場人物が皆可愛らしく、憎いひとなどひとりも存在しない、読んだあと暖かい気持ちになるお話でした。著者は、周囲の人々や生き物や、おそらく無機物にすら常に暖かい視点でもって見たり接したりしているのかもしれないなあと思いました。主人公が恋をする男性にその魅力が表現されているなぁと思いました。

それと物語の主要な伏線以外にも所々に細かい仕掛けのようなものがあった気がします。それがとても楽しいです。おもちゃ箱を覗いているような気分になりました。

読んでよかった、わたしにとって大事な一冊になりました。

 

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2017.2.25 追記

2月24日に、『はるなつふゆと七福神』の文庫版が発売されたので、早速読みました。

本編に、かなりボリュームのある特別短編がプラスされていて、文庫版と考えるとお得すぎるというか、読者側からみると最高の文庫版と思います。

そしてその特別短編がとても良かった。わたしはこのお話をシリーズ化してほしいとまで思います。あのコンビの活躍を今後も読みたいなあと期待しています。