ねずみ君ち

読書やゲームやその他日常のことを細々と。

映画の感想『はじまりのうた』

三週間ぶりくらいにこんばんわ。

最近は読書に集中できないため(そうゆう時期ってありますよね)、代わりといってはなんなのですが映画やDVDを少々観ましたので、今回はその感想を書きに来ました。

昨晩、『はじまりのうた』を観たのです。公開当時に観ようかどうしようか迷いに迷って結局観なかったやつです。満を持して観てみようかなと思いました。

 

この映画、観た直後は「素敵な映画だなぁ〜音楽も素敵だなぁ〜」という極々朗らかな感想を持ったのですが、頭の片隅で「それは嘘の感想だ」ということを自覚していました。しかし自分が抱いた本当のマジな感想をどうしても認めたくなかったのです!!!(ここで声を大きく)

でもどこかにこの正直な感想を残しておかなければ消化不良を起こして歪みが出てくるだろうと思いましたので、このブログに落としておきます。

 

では正直な感想を書きましょうか。

まずこの主人公グレタ。失恋しお金も底をついて傷心でイギリスに帰国しようとしていて、飛び入りでライブハウスで歌ってもぜんぜんウケなくて、めっちゃ可哀想なイメージで登場します。

それが運命の悪戯で落ち目の音楽プロデューサーのダンと出会い、運命の悪戯で良き仲間達とも出会い、運命の悪戯でとても素晴らしい一枚のアルバムを完成させるわけですがこのグレタ、実際は才能もあり魅力に溢れ、仲間達からも愛され、ダンの荒んだ家庭のことも若干改善させたりしちゃう、いわば万能キラキラガールなわけですよ。よく考えたらべつに可哀想じゃないし、なんか恵まれてる...よね...まあでも苦しい失恋を乗り越えていく女子の生き様を観るのではなく、音楽を楽しむ映画みたいだからこれでいいんだよね、という謎の自己抑制が入ります。

しかし後半。元彼デイヴと再会したときのグレタがまた調子こいてるのですよ。デイヴがツアーの合間をぬって一生懸命作ったアルバムのタイトルを、商業主義に走り過ぎててダサいというようなニュアンスで笑ったり、グレタが昔プレゼントした『LOST STARS』という曲のアレンジについても「ポップすぎる、オリジナルのほうが良いに決まってる」的なことをほざいたりするたびに、そりゃデイヴは浮気をしましたけれども、失恋傷心イメージでどこまで許されるつもりなんだこの女...などと思ってしまったわけです。

なにかいこの映画は、裏切った元彼にザマァを言う的な映画なのかい。それならグレタのキャラクターはいかにも純粋で素朴な良き女の子に描きすぎではないかい。それに商業主義に走ることがそれほど悪いことなのかよ。グレタはそうじゃないから偉いのかよ。待てよ、そもそも単純に音楽の素敵な映画として楽しんで観るべきだったのかもしれない、それをしなかった自分がバカだし、グレタにイラつく自分が最低...とかどんどん良からぬ気持ちが沸いてくる映画なのでした。

しかしそんなドロドロした感情も、デイヴが最後のほうで歌うポップな『LOST STARS』ですべて浄化されるのでした。ああ素敵な映画だなあと思いました。

あと、音楽を志したかたであればもっと素晴らしさのわかる映画なのかもしれないなあとも思いました。そこが分からない自分が残念です。

 

それではまた!

 

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追記:曲名を誤っていたので修正しました。