ねずみ君ち

読書やゲームやその他日常のことを細々と。

映画の感想。

(※ネタバレ回避のかたは読まないでください※)

 

今日は仕事終わりに映画を観ました。『この世界の片隅に』を観ました。

わたしが目にしたところでは賞賛されていることが多いので、若干期待をしながら観てまいりました。とても良い映画でした。

大切なひとや物を戦争によって奪われていくけれども、人間は、どんなに悲しんでもやがては笑うようになって、そうゆうことを繰り返しながら延々と日常生活を営んでいくのだということを描いていると思いました。

自分にとっては泣くような映画ではなかったです。悲惨な状況の場面でもとことん日常的な会話がなされていたりするので(例えば空襲で家がぐちゃぐちゃになり呆然と佇むひとに対して横から「お水ください」と言ってたりとかします)、有事であっても目の前のことが最優先な、人間のしょうもなさみたいなものを感じて、その淡々としたかんじに軽くゾッとしたりもしました。傍らでは人間がバタバタと死んでいるのにも関わらず、です。登場人物達の暢気さや絵柄はとてもほのぼのとした雰囲気なのですが、それが逆に人間の図太さや鈍感さを表現しているのではないか、とか思ったら考えすぎでしょうか。でもしかし本来人間とはそうゆうものなのだ、そうやって生きていくものなのだ、ということを再認識する映画でした。

そしてだからこそですが、目の前にいる身近なひとや大事なひとや、逆に自分を大事にしてくれたりいつも気にかけてくれるひとを、もっとずっと大切にしたいと思ったのでした。そのひと達がいるおかげでへらへらと笑いながら生きていられるのだなあと、この映画を観たら非常にシンプルにそう思いました。

というわけで今日はとても良い映画を観ました。